風と視線が抜ける、ふたつのデッキの家

北と南、ふたつのデッキ。 そのあいだを、風がすうっと抜けていく。 ひかりも、声も、通り過ぎるたびに、家の中にやさしい余韻を残していく。 この家の中心には、一段下がったリビングがあります。 床に座ったとき、目線の先には庭。 視線が遠くまで届くことで、心も少し、ほどけていくようです。 男の子が三人。 まわって、走って、隠れて、また笑って。 デッキとリビングをぐるぐるとめぐるその足音が、毎日のBGMになっていく。 「家を持ちたい」という夢から始まったこの住まいは、 いつしか“家族の居場所”として、自然と形になりました。 ひらくこと。 つながること。 ときには、そっと離れてみること。 この家には、そんなちいさな距離感と、風の通り道があります。