空と家族の真ん中キッチン

「空を見るのが好き」という奥様の想いを起点に、「空とつながる」「家族とつながる」ことをテーマに設計をスタートしました。 プランの中心に配置したのはキッチン。調理をする場所としてだけでなく、家族が自然と集まり、会話が生まれる“暮らしの中心”としての役割を持たせています。 キッチンからはリビング、ダイニング、和室、庭へと視線が抜け、家全体を見渡すことができる構成に。 その先には、広がる空と原っぱ。あえて建物を低く抑え、周囲の風景と調和するように設計しました。 また、庭とのつながりを強く意識し、屋根付きの土間空間や縁側のようなスペースを設けています。 内と外の境界を曖昧にしながら、四季の変化や空の移ろいを暮らしの中で感じられる設えです。 素材や色も、落ち着きと上質感を大切に選定。外壁は左官仕上げ、サッシは濃色で統一し、陰影と奥行きのある外観に。 内装も、プロジェクター対応の壁や、トーンを抑えた洗面スペースなど、用途に合わせた設計の工夫を随所に施しました。 「家族の真ん中に空がある暮らし」 それは、ただ眺めるための空ではなく、家族が顔を合わせ、時間を共有するきっかけとしての空。 この家の中心には、そんな日常の豊かさを育むキッチンがあります。