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― データと実例から考える「向く家・向かない家」の見分け方 ―
中古住宅を見ていると、「価格が手頃だから」「リノベーションすれば理想の暮らしができそうだから」と前向きな気持ちになる一方で、「この家を買って本当に大丈夫なのか」「何から考え始めればいいのか」と不安を感じる方も多いと思います。私たちも、これまで長野市・須坂市で多くのご相談を受ける中で、同じような迷いに何度も向き合ってきました。この回では、リノベーションに向く家・向かない家を、構造・立地・予算という3つの視点から一緒に整理していきます。正解を決めるのではなく、判断の軸を持つことが目的です。
目次
- 中古住宅は「直せば大丈夫」とは限らない
- 判断軸①|構造:築年数よりも大切なこと
- 判断軸②|立地:あとから変えられない条件
- 判断軸③|予算:リノベ費用が膨らむ理由
- 向く家・向かない家を分ける考え方
- 迷ったときに立ち止まるという選択
1. 中古住宅は「直せば大丈夫」とは限らない
中古住宅購入後に、「想定より費用がかかった」「住み始めてから気になる点が増えた」と感じる方は少なくありません。国土交通省の中古住宅流通に関する調査でも、中古住宅購入者の約3割が、追加費用や想定外の工事を経験したと回答しています。その多くは、購入前に建物の状態や工事の範囲を十分に把握できていなかったことが原因です。中古住宅は、新築と違って状態が一軒ごとに大きく異なります。「直せるかどうか」だけでなく、「直したあとに、どんな暮らしになるのか」を具体的に想像しながら考えることが、後悔を減らす第一歩になります。
判断軸①|構造:築年数よりも大切なこと
構造を見る際に、まず気になるのが築年数ですが、実際には築年数だけで判断するのはおすすめできません。日本の木造住宅は、1981年6月に耐震基準が大きく変わり、2000年にはさらに構造規定が強化されています。旧耐震基準の建物でも、壁量がしっかり確保され、増改築が少ない家は、耐震補強を前提に活かせるケースがあります。一方で、間取り変更を優先して壁を抜きすぎている家や、基礎に大きなひび割れや不同沈下が見られる家は、補修費が想定以上にかかることもあります。大切なのは「古いか新しいか」ではなく、「素直な構造かどうか」を一緒に見ていくことです。
判断軸②|立地:あとから変えられない条件
建物は手を加えることができますが、立地条件は変えられません。日当たり、敷地の形状、前面道路の幅、周辺建物との距離、そして雪の多い地域では除雪条件も重要です。特に長野県北信エリアでは、冬の日照時間が短い土地では、断熱性能を高めても「寒く感じる」「暗い」といった印象が残ることがあります。また、道路幅が狭い場合は、将来的な除雪や駐車のしやすさにも影響します。家の中だけでなく、「その場所でどんな日常になるか」を一緒に想像することが、長く暮らすうえで大切な視点です。
判断軸③|予算:リノベ費用が膨らむ理由
リノベーションの予算が膨らみやすい理由の一つが、解体してから分かる劣化や不具合です。例えば、土台や柱の腐食、シロアリ被害、断熱材の未施工、古い配管や配線の全面更新などが挙げられます。すべてを一度に直すのではなく、「今必要なこと」と「将来でもよいこと」を分けて考えられるかどうかが、無理のない計画につながります。
向く家・向かない家を分ける考え方
リノベに向く家は、構造が比較的素直で、大きな劣化が局所的な場合が多い傾向があります。また、立地条件に致命的な問題がなく、予算に10〜20%程度の余白を持てることも重要です。一方で、構造・立地・予算のすべてに無理がある家は、進めるほど負担が大きくなりがちです。「直せるかどうか」ではなく、「直したあとに、無理なく心地よく暮らせそうか」という視点で考えてみることが大切です。
迷ったときに立ち止まるという選択
中古住宅選びでは、迷いが出るのは自然なことです。むしろ、迷わずに決めてしまう方が、後から後悔につながるケースもあります。買う前であれば、その家を活かせる可能性や、どこまで手を加えるべきかを整理することができます。山二ハウジングでは、工事を前提にせず、判断を整理する段階から一緒に考えるご相談をお受けしています。
まとめ
中古住宅は、すべてがリノベ向きというわけではありません。構造・立地・予算を一つずつ整理していくことで、その家に合った選択が見えてきます。迷いながら考える時間も、後悔しないための大切なプロセスです。このシリーズでは、引き続き判断のヒントを一つずつ掘り下げていきます。
次回は、「築30年の家は本当に危ないのか?」をテーマにお届けします。
築年数だけで判断してしまいがちな中古住宅ですが、
実際には、年数よりも見るべきポイントがあります。
次回は、耐震基準や構造の違い、注意したいチェックポイントを整理しながら、
築年数とどう向き合えばいいのかを一緒に考えていきます。